賃貸アパートの退去費用は10年住めば安くなる?

退去時にかかる費用は、どのように決まるのでしょうか?10年も住んだら、もしかしてタダになるのでは?と思っている方もいるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか?今回は、賃貸アパートの退去時に気になる「原状回復費」についてお話しします。

賃貸アパートの退去費用は10年住めば安くなる?

経年劣化と通常損耗分は貸主が負担する

まず、基本的なルールとして覚えておきたいのは、「経年劣化」と「通常損耗」による損傷は、貸主が負担するということです。経年劣化とは、時間の経過によって自然に起こる劣化のことで、例えば壁紙の色あせやカビ、床のへこみや傷などが該当します。通常損耗とは、普通に使っているうちに起こる損傷のことで、例えば水道の蛇口や電気スイッチの故障、ドアノブや引き出しの取っ手の緩みなどが該当します。これらは、借り手が故意や過失によって引き起こしたものではないため、原状回復義務は発生しません。

耐用年数によって減額される設備の例

では、どのようにして経年劣化や通常損耗が判断されるのでしょうか?実は、賃貸住宅に設置されている設備や備品には、「耐用年数」というものがあります。これは、その設備や備品が正常に使用できる期間の目安で、一般的に以下のようなものがあります。

  • 壁紙:6~10年
  • 畳:8~10年
  • フローリング:10~15年
  • エアコン:10~15年
  • ガスコンロ:12~15年
  • 給湯器:12~15年

これらの設備や備品が耐用年数を超えていた場合、その分は減額されます。例えば、壁紙が10年経過していた場合、原状回復費用は0円となります。また、耐用年数を超えていなくても、その分だけ割合で減額されます。例えば、壁紙が5年経過していた場合、原状回復費用は半額となります。つまり、長く住んだほど退去時にかかる費用は安くなる可能性が高いということです。

退去費用が減額になる箇所とならない箇所の違いは?

次に、退去時にかかる費用が減額になる箇所とならない箇所の違いについて見ていきましょう。減額になる箇所は、前述した経年劣化や通常損耗に該当する箇所ですが、ならない箇所は、借り手の故意や過失によって引き起こされた損傷に該当する箇所です。これは、原状回復義務と呼ばれるもので、借り手が負担することになります。原状回復義務に該当する損傷の例としては、以下のようなものがあります。

  • 壁や天井に穴を開けたり,ペンキやシールを貼ったりした場合
  • 窓ガラスや鏡を割ったり,ひびを入れたりした場合
  • 水回りやトイレで水漏れやつまりを起こした場合
  • キッチンやバスルームで火災や水害を起こした場合
  • ペットや喫煙によって臭いや汚れがひどくなった場合

これらは、普通に使っている範囲を超えた損傷であるため、原状回復義務が発生します。ただし、これらの損傷についても、借り手が故意や過失でなく、不可抗力や第三者の行為によって引き起こされた場合は、原状回復義務は発生しません。例えば、地震や台風などの自然災害で窓ガラスが割れた場合や、隣人や泥棒などの第三者が壁に穴を開けた場合は、借り手の責任ではありません。

特約事項がある場合は契約書の内容が優先される

最後に、退去時にかかる費用に関しては、契約書の内容が優先されることを注意しておきましょう。契約書には、「特約事項」という項目があります。これは、貸主と借り手が個別に取り決めた内容で、一般的なルールと異なる場合があります。例えば、「退去時には必ず全面張替えを行う」という特約事項があった場合、壁紙が経年劣化や通常損耗であっても、原状回復費用は0円になりません。また、「退去時には必ずクリーニング代を支払う」という特約事項があった場合、自分で清掃してもクリーニング代は免除されません。このように、特約事項がある場合は、契約書の内容が優先されるので、入居時にしっかりと確認しておくことが大切です。

退去時にできるだけ費用を抑えるためには?

さて、ここまで賃貸アパートの退去時にかかる費用の仕組みについて見てきましたが、実際に退去するときにはどうすればできるだけ費用を抑えることができるのでしょうか?ここでは、退去時に役立つ3つのコツをご紹介します。

入居時に設備の状態を確認して写真や動画で記録する

退去時にかかる費用を抑えるためには、入居時に設備の状態を確認して写真や動画で記録することがおすすめです。これは、退去時に貸主とのトラブルを防ぐための重要な手段です。入居時に設備の状態が悪かった場合や、既に損傷があった場合は、それを証明することができます。例えば、壁紙にシミや汚れがあった場合や、フローリングに傷があった場合は、それを写真や動画で撮っておきましょう。そして、それを貸主に伝えて、契約書に記載してもらうことが大切です。そうすれば、退去時にその分の費用を請求されることはありません。

定期的に掃除やメンテナンスを行う

退去時にかかる費用を抑えるためには、定期的に掃除やメンテナンスを行うことも効果的です。これは、経年劣化や通常損耗を最小限に抑えるための方法です。例えば、壁紙やフローリングは、汚れやほこりを放置すると色あせたりシミになったりします。そうなると、通常損耗ではなく損傷とみなされる可能性があります。また、水回りやエアコンは、カビやヌメリを放置すると故障の原因になったり臭いの元になったりします。そうなると、原状回復義務が発生する可能性があります。このように、定期的に掃除やメンテナンスを行うことで、設備や備品の寿命を延ばし、退去時にかかる費用を減らすことができます。

退去時には自分でできる範囲で清掃する

退去時にかかる費用を抑えるためには、退去時には自分でできる範囲で清掃することも有効です。これは、クリーニング代を節約するための方法です。クリーニング代は、退去時にかかる費用の中でも比較的高額なものです。特約事項がない場合でも、一般的には数万円から数十万円程度かかります。しかし、自分で清掃することで、その分の費用を削減することができます。例えば、キッチンやバスルームは、油汚れや水垢を落としておくことが重要です。また、窓やドアは、ガラスや枠の汚れを拭き取っておくことが必要です。さらに、床や壁は、ほこりやゴミを掃除機で吸い取っておくことが望ましいです。このように、自分でできる範囲で清掃することで、クリーニング代を安く抑えることができます。

まとめ

今回は、賃貸アパートの退去費用は10年住めば安くなるかどうかについて、解説しました。結論としては、賃貸アパートの退去費用は10年住めば安くなる可能性が高いと言えます。しかし、それはあくまで一般的なガイドラインであり、実際には契約書の内容や設備の状態によって変わります。そのため、入居時には契約書をしっかりと確認し、退去時には設備の状態を正しく判断することが大切です。また、定期的に掃除やメンテナンスを行い、退去時には自分で清掃することで、できるだけ費用を抑えることができます。賃貸アパートの退去費用について不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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